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| 体外授精は不妊治療の最終手段のような感じがします。精子と卵子を採取して培養液と言う特殊な溶液中で混ぜておきますと、精子は勝手に泳いで卵子の周りに集まって、そのうちの1匹が卵子の中に浸入して受精します。この受精卵(胚と言う)は、そのまま培養しておくと分割していきます。2−3回分割して4細胞から8細胞になったところで子宮内に戻します。たくさん戻せば妊娠率は高くなりますが、産婦人科学会で多胎妊娠を予防するために3個までしか戻してはいけないと制限しています。 体外受精はどのような人に行うかと言うと、一番は卵管が詰まってしまっている人です。卵管が詰まっている場合はそのままでは妊娠しませんので手術して卵管の形成術を行うか、体外受精をするかと言うことになります。どちらを選ぶかは卵管の詰まり方などで人それぞれですので一概には言えません、体外受精を選択する場合も多いと思います。 そのほかにも精子の数が1mlあたり2−3百万程度しかない場合は性交や人工授精では妊娠は難しいので、体外授精を選択することになります。通常の体外授精で受精可能な精子の濃度は1mlあたり50万程度まででしょうか、それ以下になりますと有効な精子濃度を確保するのが難しくなりますので、顕微鏡をつかって精子を直接卵子の中に注入する顕微受精と言う方法が行われます。この方法ですと原理的には精液中に1匹でも精子があれば受精可能と言うことになりますが、実際に精液中に1匹の精子を見つけるのは不可能です、やはり1mlあたり1万くらいの精子数がないと難しいでしょう。それ以下もしくは無精子症の場合には睾丸内精子が利用できることがあります。麻酔して睾丸に針をさして精子を採取します。ただし産婦人科学会は睾丸内にある精子になる前の状態の細胞を使って顕微受精することを時期尚早として制限していますので、睾丸内に精子がない場合は日本国内ではそれ以上の治療を行うことはできません。当院では顕微受精や睾丸からの精子採取は行っておりません。 実際の体外受精の方法 まず排卵誘発を行います、このとき自然に排卵してしまうのを防ぐためにブセレリン(商品名はスプレキュアやブセレキュアなど)という薬を試用します。排卵誘発は通常hMGという注射を連日行います。結構痛いです。超音波検査で卵胞の発育を見ていきますが、直径が15-20mmの卵胞が5−6個以上できたら、hCGという注射を打ちます。これは脳から出るLHというホルモンによく似ていてこの注射により排卵のスイッチが入ります。この注射の30-36時間後に採卵すると言うことになります。 採卵するときは軽く麻酔をします。経腟超音波で卵巣を見ながら細長い注射器の針で卵巣を刺して卵胞液と一緒に卵を採取します。 採取した卵はしばらく培養液中で培養します。2−3時間培養(前培養という)したら精子と混ぜます。このとき1個の卵に対して15万くらいの精子を混ぜます。こうして一晩おくと精子は勝手に卵と受精します。受精したかどうかを翌日の午前中までに確認します。受精した直後の卵には(これを胚と言います)核が2個見えます。卵由来の核と精子由来の核の二つです。1個しか見えなければ受精していません、3個あれば多精子受精と言って一つの卵に2個の精子が受精しています、これは双子とは全く別でこれは子宮内に戻すことはできません。精子濃度を濃くしすぎるとこの多精子受精になり易くなります。2個の核はしばらくすると融合して1個の核になります。 うまく一個だけ受精した胚をさらにもう1日培養すると分割していきます。この4−8細胞に分割した胚を子宮内に移植することになります。子宮内に移植することをしばしば戻すと言いますが、本来は移植と言うべきでしょうね。戻し(移植)は特に麻酔などは行いません。痛みもそれほどないのが普通です(たまに痛いという人がいますが・・・)。 |
