陣痛誘発

過期妊娠などで陣痛を人工的に誘発することです。通常はオキシトシンと言う薬を輸液ポンプを使って一定量をゆっくり点滴する方法で行います。産科事故の多くは分娩誘発のときに起こっています。しかし過期妊娠では誘発しなければ帝王切開しかありませんので、どちらかの選択になります。どちらも選択しないと言うことはできません。どちらに決めるかは医師と十分相談する必要があります。純粋に医学的な立場からすれば、オキシトシンチャレンジテストと言って少し陣痛を人工的に誘発して胎児が陣痛のストレスに耐えられるかどうかを調べて、耐えられそうであれば(胎児心拍数の低下がなければ)そのまま陣痛誘発を続けて、耐えられそうになければ(胎児心拍数が低下してくる)帝王切開に切り替えると言うダブルセットアップという方法が理想的かもしれませんが、これも胎児の予備力(元気さ)が落ちていても軽い陣痛にはある程度耐えられるので帝王切開に切りかえるタイミングの判断が意外と難しく(結局陣痛を強くしないと胎児が陣痛に耐えられるかどうかは分からないのです、ということはそのとき既に危険な状態になってしまうことがあります)、事故がまったくない方法と言うわけでもありません。

過期妊娠の問題点は胎児の予備力(元気さ)がどれくらいあるかと言うことを正確に捉えることが難しいという点にあると思います。胎盤の寿命は40週くらいといわれそれを越えているわけですから、胎児が陣痛に耐えられるだけの十分な力を維持しているかどうかはそれぞれの胎児の状態で違ってきています。胎児胎盤機能を調べる方法としてNSTという胎児心拍数モニターや妊婦の尿のE3濃度を調べる方法などがありますが、どれも今の状態であってこれからの陣痛に耐えられるかどうかは陣痛がきてみないと分かりません。医者の本音は帝王切開が安心と言うところでしょうか。