乳癌検診

乳癌の罹患率(乳癌にかかる率)が日本でも上昇してきています。乳癌はもはや外国人の癌ではないのです。乳癌の検診の方法は視触診と言って見て触って診察するのが一般的です。しかし小さなしこりはわかりにくいので当院では超音波の機械による検診を併用しています。超音波装置を利用すればかなり小さなものも発見することができます。

乳癌検診で最近話題になっているのがマンモグラフィーを利用したものです。マンモグラフィーは現在まだ特別な施設でないと設置していませんが(たとえば乳癌検診を専門に行うクリニックや、大きな総合病院など)、日本でもマンモグラフィーを普及させようという取り組みが行われています。欧米では割と普及しているようです。当院では現在のところ導入の予定はありません、視触診と超音波検査で悪性が疑われる腫瘤(しこり)に関しては専門病院に紹介しています。

アメリカは乳癌が多い国なのですが、アメリカで推奨されている乳癌検診の指針は以下の通りです
1;20才を越えたら月に1回生理後などに自己検診を行う。
2;年に1回の医師による診察を受ける
3;35才と40才の時にマンモグラフィーの検査を受ける
4;50才を越えたら1−3年ごとにマンモグラフィーの検査を受ける

マンモグラフィーも万能の検査ではありません、特に40歳以下では未だ乳腺が乳房に充満していますのでマンモグラフィーで撮影しても像が明瞭になりません。40歳以下ではエコーの検査の方が有効とされています。しかしエコーで映らないような石灰化を伴った小さな癌にはマンモグラフィーがきわめて有効です。従って上記のような検診の指針は理解できます。50才を越えると乳房内はほとんど脂肪に置き換わっていますのでマンモグラフィーは非常に有効です。

初期癌を見つける確率は視触診で60%位、エコーを併用することで80%位、マンモグラフィーを更に行うことで90%位に上昇するとされています。(ではマンモグラフィーだけを受ければよいのですかとよく聞かれますが、違います。マンモグラフィーだけでは発見率は高くありません、あくまでも視触診とエコーが基本でそれにマンモグラフィーを併用することによって発見率が上昇するのです。)

自己検診のやり方
生理のある人は生理の後1週間目に行う、閉経後の人は月に1回定期的に行う。
1;入浴時に石鹸を乳房の回りに塗ってすべりやすくしてまず片側の腕を下げた状態で乳房全体をゆっくり反対の手の指先で触ってしこりがあるかどうかを調べる。次に腕を上げて行う。同様に反対側を行う。ゆっくり行うことが大事です。
2;鏡の前で片方づつ腕を上げ下げして乳房にえくぼサイン(へこみ)やひきつれがないかどうかをしらべる。
3;乳頭(乳首)を圧迫して血性の分泌液がないかどうかを調べる

乳癌の手術は日本では伝統的に外科で行っています。検診は婦人科で受けて、精密検査や手術は外科で受けるというのが最近の流れのように思います。(ただし、成人病検診としての乳癌検診は外科の先生が行っています。)