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| 切迫流産とは非常に不明瞭な病名ですが、以前は妊娠初期に出血があればひとまとめにしてこのように呼ぶしかなかったのです。最近では胎嚢(胎児の入った袋)の状態などが経腟エコーでよくわかりますので、もうちょっと詳しい病名をつけるのが良いのではないかとも思いますが、現時点ではふさわしい病名はありません。子宮の中に胎嚢があり出血している状態を切迫流産と言うと考えています。 経腟超音波での観察 妊娠5週 胎嚢が見えてくる 妊娠6週 卵黄嚢という将来臍の緒の一部になる部分が見えてくる 妊娠7週 胎児が小さく見えてきて心臓の拍動が見えてくる 妊娠8週 胎児の大きさが1cmくらいになる たとえば妊娠6週の胎嚢の大きさなのに卵黄嚢がなくて出血している場合と、卵黄嚢があって出血している場合ではその後の経過に大きな違いが出ます。卵黄嚢がない場合は流産してしまう可能性が高いですが、現時点ではどちらも切迫流産と呼んでいます。 妊娠初期に胎嚢は子宮内膜に根をはるようにして成長していきます。そのとき出血することはある程度自然なのかもしれません。しかし胎児は基本的に子宮にとっては異物です。異物と言うのは非自己と言う意味です(よけいわからん?)。人間の体の中で非自己の組織を受け入れられる部分はほかにありません。非自己といっても半分は自分なんだからとも思われるかもしれませんが、外国でよくある貸し腹や卵子提供ではまったく自分のDNAは含まれていません。それでもちゃんと育つのですからやはり子宮は不可解にも偉大な存在なのです。しかし胎嚢の細胞成分が死んだ状態になると子宮は完全に異物として収縮して排出しようとします、そのときに生理のような痛みになり出血も増えてきます。胎嚢が大きければ痛みはかなりひどくなります。これらは流産の原因が胎児側にある場合です。 妊娠7週位になると胎児の心臓の拍動がエコーで見えてきます。このころになると胎児の決定的な異常はないと考えられます、したがってその時期以降に出血があり下腹部の痛みがあればそれは子宮側の原因の事が多いです。出血の原因はいろいろとあると思いますが、多いのは前置絨毛(絨毛とは胎盤を構成する小さな血管のような物です。妊娠初期では未だ胎盤といえるほどのしっかりした組織を構成していません、この絨毛が子宮の出口あたりにあるのが前置絨毛です)でしょう。また単純に子宮が非自己である胎児を受け入れていない状態なのかもしれません。とにかく安静にして子宮の収縮を抑制しなければなりません。子宮の収縮止めの薬を飲みます。出血が多ければ入院した方がよいでしょう。 |
