切迫早産

37週以前(未満)にお産になることを早産と言いますが、早産になりかかっている状態を切迫早産と言います。現実的には34週を超えていればお産はしてもかまいません(といってもやはり35週くらいまでは何とかがんばってほしいですけど・・・)。問題は34週以前の切迫早産と言えます。32週を超えると1800−2000gくらいありますので、自発呼吸の可能性はかなり高いですが、まれに人工呼吸器が必要な児がいます。32週以前では人工呼吸器の設備がないと新生児の管理ができませんし、界面活性剤などの肺を膨らませる薬の使用が必要になるので新生児の集中医療センターのある病院以外では管理できません。問題はそのような設備を備えた病院がほとんどないと言うことです。今のところ各県に1施設くらいしかなく、常に人工呼吸器をフル活動している状態です。30週以前で早産になりそうなときは受け入れ施設を探すのに苦労することがあります。熊本から久留米まで母体搬送することもあります。当院のような開業医の使命はいかにこのような早産を防ぐかと言うことにあると思います。

切迫早産の予知は意外と難しいことが多く、特に自覚がなく子宮口が開いてくる頚管無力症と言う患者さんの場合は異常に気づいた時には子宮口がすでに開いてしまっていると言うことがあります。特に妊娠初期に健診は4週間に1回ですので、前回の健診で異常がなくても次の健診時にはすでに状態が悪くなっていると言うこともあり得ます。以前早産を起こしたことがある患者さんの場合は用心して1週間ごとの健診を行うこともあります。また頚管無力症の場合はシロッカー手術といって子宮の入り口(出口?)の部分をひもで縛ってしまうこともあります。ただしこの手術は縛ること自体によって炎症を起こして子宮が収縮することがありますので術後しばらくは抗生物質と子宮の収縮抑制剤を使用する必要があります。

切迫早産はとにかく予防が第一です。おなかが張ると思ったらいつでも来院して下さい。診察では子宮の出口の長さ(頚管長という)をはかります。妊娠30週で25mm以上あるのが普通です。もちろん長さだけでは確実な診断はできませんので内診して出口が柔らかいのかしっかりしているのかを診る必要があります。子宮の出口が短くて柔らかくて胎児が下がってきている場合は自覚症状がなくても入院が必要です。